ふと立ち止まって考える。
はじめは確かに「でっかい夢と目標」があって、
子供のお使いみたいな「私的ノルマ」があった。
少しずつ少しずつ、一歩一歩、
遠回りなんだか迷子なんだか、
通るべき道なのか、
よく分からないまま森の中を進んできた。
一年前、五年前、十年前からすりゃ、
ちょっとは前進しているとは思う。
でもいつしか、
達成するべきその「私的ノルマ」は消えてなくなり、
それすらくだらないものとなっていた。
それでも「でっかい夢と目標」は見失う事はなく、
今はただ本能だけが私を歩かせている気がする。
その善し悪しは別にして私は、つい
「目の前のちっぽけな夢と目標」に追われがち。
足下に点々と落ちているお菓子につられて
森に迷い込んだのだとしても、
そうと気付かず拾い続けて夢中で進めば、
ふと顔を上げた時、目の前には、
本当にお菓子のお家が建ってるのだろうか?
怖くてまだ顔を上げられない。
迷子になってるかもしれないのに止まれない。
ただただ黙々と
目の前のお菓子を拾い続けてるのだ、私は。
その先にきっと
「でっかい夢と目標」があるはずだから。
例えそのお菓子のお家の住人が悪い魔女だったとしても、
それはそれで
私はやっと戦えるのだから。
悪い魔女にまず会えなきゃ、
御伽話は始まらないし、
勝つ事も負ける事も出来ないし、
ハッピーエンドにもならないのだよ。
まあ、そりゃ良い魔女に会えるのに越したことはないが、
さんざん人の菓子、勝手にたらふく喰っといて
そんなムシのいい話はなかろうし。
「お菓子のお家やーい!」
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