つい先日初の姪たんが産まれた
まだまだ生まれたてのホヤホヤのブニャブニャさ
首なんてグラングランですよ
ちっちゃい身体なのにたまに鼻息とか鳴らしたりして
なんてカワユイのかしらん
お前さん、生きてるね~。
兄夫婦の赤子なだけに私と血も近いわけで
もうこれは期待大ですよ。
私から遠ざけたがる兄をかわして
この腕に抱え込んだときの
あの感動ったらあぁた!
これで大丈夫!
この姪たんは私を好きになってくれるはず。
早くスクスク育っておくれ
この私に向かって
おばさん呼ばわりできるのは
お前さんだけなんだぞ
でもやっぱり呼ばせないわ
せめて『おばさま』とお呼びなさい
そしたら優雅に振り向いてあげるわ
『あのおばさんは やさぐれもんだから
あんまり近付いちゃダメ』
とか誰かしらに言われたら
この姪たんはこうハッキリと言うのよ
『おば様のことちっともわかっちゃいないのだわ!
あの方は本当に素晴らしい方よ。』
そしてドレスの裾をひるがえして
私の住む森の家へ向かうの
手を振りながら走る姿は
もち、スローモーション
『お~ば~さ~ま~』
私はオーブンから焼きたてのアップルパイを取り出すと
姪たん、テーブルに頬杖をつき
足をブラブラさせながら
『おばさまのアップルパイは
ほんとに世界一だわ』
『あなたが二十歳になったらこの秘密のレシピを
こっそり教えてあげるわ。でもそれまではダメよ』
姪たんは小さく頷く
そして香ばしいパイの香りを
大きく吸い込むと待ち切れないとばかりに
大きな瞳を輝かせた
『いただきまーす』
そこで私は一喝
『こらっ!ちゃんと手を洗ってからになさいな』
『いっけなーい、あらでもおばさまの方こそ
お口のまわり、パイのお粉だらけでらしてよ』
『あらやだ、まったくお前って子は』
『あはははは』
『うふふふふふ』
『あはははははは』
『うふふふふふふふ』
その笑い声は森中に響きわたるのでした
つづく・・・
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